こんにちは。助教の阿部純です。先週土曜日、台風の到着気配が立ち込める福山と、快晴の東京とをつないでのスカイプゼミを開催しました。ここでも告知しましたとおり、今回のゲストはブックデザイナーのイワフチメグミさん。さぞかし楽しい会になるだろうと始まる前から予想しておりましたが、、まさかの、、

野外からの交信。新宿雑踏の、生のまちの音が聞こえる中で、イワフチさんからzineにまつわるお話を伺っていきます。いまや、TOKYO  ART  BOOK FAIRなどにも代表されるように「アートブック」というジャンルも確立されつつありますが、その昔はこういったメディアは総じてミニコミと呼ばれていました。そして90年代なかばか2000年代あたりに、地域メディアの台頭とともにリトルプレスなどが流通するようになり、こういった小さなメディアの名前、ジャンルが分化していく系譜上に今のジンはあるということ。表に出ているジンは「ガールジン」との言葉にも表されるように、カワイイ、アートよりの冊子としての見えが強いですが、小さなメディアの系譜からもわかるように、そもそもジンとは「これ!と明確に断定できないもの」であり、マスに載らない情報や個人の思いのつまった自由なメディアなんですね。

イワフチさんがこれまでつくってきたジンもたくさん紹介していただきました。イワフチさんが愛してやまない「鉄塔」への思いをつづったもの(学生と意気投合してましたね!)や「手紙」をモチーフとした変わったジンだったり、私も一緒につくったアニメーターの今敏を追悼し私たち自身も遺言を書いてみたものをジンにしたものなどなど。自分が好きなもの嫌いなものを手紙のような形で、友人や知らない誰かに届けることは、そのメディアをつくりながら自分自身のことを知り、いま自分の周りにある印刷技術や紙のことを知ることでもあります。イワフチさんの口から、ありとあらゆる印刷手段、配布手段が飛び出してきて、「これからジンをつくってみたい!」という学生たちのメモをとる手がとても楽しそうでした。

他にもイワフチさんお気に入りのジンについてひとしきり(屋外で)紹介していただいたのち、その日に新宿のカフェでジンの市が開かれるとのことで、そのカフェに移動してもらって、ジン交換の場の雰囲気も伝えていただきました。その会を主催されている、リルマグの野中モモさん(『ガール・ジン「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア』の翻訳者であられます)にもご登場いただき、ジンを介してつながるコミュニケーションの話や、「いまから5年前」がジンなど小さなメディアの転換期であったのかなといった話など、会の準備もあって忙しい中いろいろとお話していただきました。学校や仕事場を離れてもなおモバイルメディア、ソーシャルメディアを介して「いいね!」でつながっていく、それがコミュニケーションのほとんどを占めがちな現代ですが、だからこそ一気に情報を拡散させるだけではないコミュニケーションだったり、自分の思いを吐き出す場があってもよいよね、というお二人からのメッセージはみなさんにどう響くでしょうか。

イワフチさん、野中さん、カフェで飛びいり参加してくださったお姉さま、本当にどうもありがとうございました!

 

最後に、この会の前半戦、イワフチさんはここからひとりでスカイプをつないでくれていたのですよ、という報告を・・・。

この場所から、あれだけの熱をこもったジン話をしてくださったとは、、恐るべし。どこまでも自分の常識の軸を揺らがすような3時間の長丁場、どうもありがとうございました!!!!

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