先にも【光明寺会館編】をお伝えしましたが、今回は備後地域の情報誌として30年も続いているという『Wink』の編集部におじゃましてまいりましたので、そのご報告です。私が備後地域に来てもうすぐ1年、こちらに来て驚いたことはたくさんあるのですけれども、中でもというくらいに驚いたのが地域情報誌『Wink』の存在感でした。地域の雑誌がフリーペーパー化・ネット媒体に移っていく中で、情報誌として紙ものが残っている、しかも学生たちの中にもかなり浸透しており、その存在感が私の認識する「地域情報誌」を明らかに凌駕するものだったからです。この時代において紙もの媒体が地域に根付いていられるのはどういった工夫とアイディアによるものなのかと思い、今回も学生の取材の様子に同行させてもらったのでした。

Wink取材の様子

編集長の村井さん、水馬さんにお話を伺いながら見えてきたことは、「備後」という場所の地政学的メディア状況でした。備後地域は、広島と岡山という県庁所在地のちょうど狭間にあり、いわゆるマスの情報発信源とは少し距離があるということ、そして、その狭間を埋めるメディアがほとんど存在しなかったということが目の付け所としてあったようです。(写真:『Wink』編集長の村井さん。ひとつひとつ丁寧にお答えいただきました。)

村井編集長

岡山から広島にまたがって、備後の衣食住をきめ細やかに伝えていく、情報を伝える側として心がけていることは、「情報を足でしっかり稼ぐこと」と強調されていました。ネットの情報は、それが確かか?と問う時には迷いなくうなずくことができにくかったりもします。印刷会社であるasconが、土地の利を活かして地域情報誌である『Wink』をはじめはフリーペーパーとして発行し、『Wink』だからこそ信用できる、という信頼感を損なわないように、雑誌作りの根本から試行錯誤してきたということでした。例えば「”おいしい”ということをその都度どう伝えるかを常に考える」といったようなこと、その際に使用すべき写真とは、見出しとは・・・。雑誌をつくるノウハウから自分たちでつくってきた、というところに、『Wink』が30年間備後地域で”生きて”きたその熱量を感じました。

卒業生古玉さん

当日は、メディア情報文化学科の卒業生で、asconで働いていらっしゃる古玉さんにもお話を伺うことができました。(写真がぶれてしまってすみません!!)いきいきと働いていらっしゃる様子を見て、就活を目前にしている学生たちもいろいろ相談しているようでした。

 

このたびは、村井さん、水馬さん、古玉さんにとてもお世話になりました。どうもありがとうございました!来週の発表の時には、みんなで『Wink』を読みあいつつ、今日お話しいただいたことを反芻して、改めて地域メディアについて考えていきたいと思います。

 

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