【教員の活動】『《写真》見えるもの/見えないもの #02』展への参加+山陽日日新聞への寄稿

こんにちは。今回は学科教員の学外での活動についてのお知らせです。

一つ目は、安田准教授が7月13日より、東京藝術大学大学美術館 陳列館で行われる展示に参加します。安田准教授は写真の作品を制作していますが、一般的な(何をもって「一般的」と称するかは難しい問題なのですけれども)写真作品というよりは、「写真とは何か」というメディアの根源的な問いを突き付けるような、写真を斜め上から見るような作品をつくっています。例えば、去年の「鞆の浦 de ART」での作品を見ても、そこにあるのは私たちがケータイで撮るような写真ではなくて、光によって変色していくさまを「写真」として見立てる、ということをおこなっています。その他にも、尾道の光明寺會舘での展示では、撮った対象を金箔で塗りつぶす作品など「写す」という行為に何重にも手をかけて、「一体何を写しているのか」を鑑賞者に問いかけるような作品もあります。その昔は、今のように瞬間的に写真を撮ることがかなわなかったわけですが、安田作品は昔ながらの(?)写真における「時間」を取り戻すような作品になっていると、個人的には思っております。

そんな新作が観られるということですので、この機会に東京に行かれる方にはぜひご鑑賞ください。
本人からも、展示参加への意気込みをどうぞ!

「こんにちは安田です。作品についての紹介はもう充分に書いていただいたのでもうあまり付け加えることもない気がするのですが・・・この展示、『今の』『写真』とは何か、について、自分だけでなくさまざまな作品から見ることができる展覧会になっているはずです(はず、というのは私もまだ見ていないからですが)!そして、写真を見せる見せ方も、いろいろなかたちでなされているはずです。写真を、作品をプレゼンテーションする方法もぜひ注目して頂きたいと思っています。
*ところでこのブログの後半で阿部さんが触れていますが、『鉄男』は、映像で作品をつくろうとするひとなら絶対に見た方が良いと思いますよ。」

 

《写真》見えるもの/見えないもの #02

会期: 2015年7月13日(月)- 8月1日(土)
午前10時 – 午後6時
※8月1日(土)最終日は午後5時まで
会期中無休
会場: 東京藝術大学大学美術館 陳列館1階、2階
観覧料: 無料
主催: 東京藝術大学、《写真》展実行委員会
助成: 芸術文化振興基金助成事業、藝大フレンズ賛助金助成事業、公益財団法人朝日新聞文化財団、公益財団法人花王芸術・科学財団、公益財団法人野村財団、宮田学長学術研究基金
認定: 公益社団法人 企業メセナ協議会
協賛: 株式会社資生堂、株式会社ニコン、株式会社ニコンイメージングジャパン
協力: アワガミファクトリー、エプソン販売株式会社、株式会社東京スタデオ、コエドブルワリー、全日本鏡連合会

写真は19世紀の発明以来、社会にとって様々な影響を与えてきました。現在は圧倒的なデジタル時代を迎え、携帯電話にもカメラが仕込まれたことによって、誰しもが日常的に写真イメージを手にするようになったといえるでしょう。しかし、あまりにも 日常化したために、デジタル以前のように「写真」そのものについて思考することが少なくなり、むしろシャッターを押しさえすれば、考えずにイメージが得られる時代になったのかもしれません。本展覧会は、そのような時代にあって、再度「写真」とは? と問いかける意図を持って企画されました。
2007年に開催された「《写真》見えるもの/見えないもの」展は、写真表現に本質的に備わる重要な両義性、つまり写真の機械的に写ってしまうイメージの超具象性と、写そうとする思念の抽象性という表裏の関係性について基本的なテーマとしました。即物的なイメージ の強さとともに、写っていない部分をいかに読み解くかは現在にも通底する重要な要素です。7年が過ぎ、今回はさらなるデジタル時代の進行を受け、新たに生まれた様々な可能性とともに、現在における「写真」を再考したいと考えます。 銀塩写真とデジタル写真には技術的な違いがありますが、その表現に差異はあるのでしょうか? 現在は、材料が100%満足できるとは言えないまでも成熟した銀塩写真の技術があり、しかも円熟期を迎えつつあるデジタル技術のその両方が混在する時代といえます。このような時代にあって技術的な側面の検討から、さらには新たな融合の可能性をも探ってみたいと考えます。 また、現代に生き制作発表するということは、社会に対する何がしかのアクチュアルな思考が下敷きになっています。今回はそれぞれ海外にベースをおきながら、日本をテーマにした作品を制作してきたアーティストの参加によって、現在の日本を鏡のように映し出し俎 上に乗せる意図もあります。世界と日本、日本の中の世界、「写真」を中心に写真表現を通じて社会との関係を思考することは最も重要な意味合いととらえます。そして「《写真》見えるもの/見えないもの #02」展を開催し、幅広く深い「写真」についての思考を深める機会になることを期待します。
問い合わせ: ハローダイヤル03-5777-8600
展覧会公式サイト: http://www.mierumienai02.com/

上記は、東京芸術大学美術館のホームページより引用しております。

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もう一つ、今度は地元の話題ということで、わたくし阿部が地元の新聞であります山陽日日新聞に、7/11のシネマ尾道での映画会に向けての文章を寄稿しましたのでそのお知らせです。

シネマ尾道では、7/11に塚本晋也監督の最新作『野火』公開記念イベントとして、塚本監督と大林宣彦監督をお招きしてのイベントを予定しています。今回は、シネマ尾道の北村さんにお声掛けいただきまして、上映会+両監督のトークイベントを盛り上げるべくの拙文を寄稿させてもらいました。塚本監督の『鉄男』の世界観には度肝を抜かれましたので、そんな話などを書いてみました。シネマ尾道と山陽日日新聞のタイアップ企画にもなっていまして、私以外にもシネマ尾道のみなさんや、尾道市立大学の先生、近隣ミュージアムの方など、いろんな方が寄稿されていて、ローカル・メディアのネットワーク型イベントという意味でも、すごくよい試みだなと思っております。

今日(7/9)付で掲載されると伺っております。読む機会がありましたら、こちらもご笑覧ください。

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