19号館の小さな変化

19号館がちょっとずつ進化していることは,以前のブログ(例えばこちら)でお伝えしましたが,11月に入ってから19号館に小さな変化が起きました。

これまで女性用トイレにだけ設置していたサニタリーボックスを,19号館の「すべて」のトイレに設置しました。またこのバージョンアップにより大容量化&足踏み式に変わり,トイレを利用するすべての人が使いやすいようになりました。
(もちろん改良すべき箇所はまだありますが,一歩ずつ少しずつ…)

この取り組みは,19号館というメディアが発するメッセージを変更するため,二つの目的をもって行っています。一つは,福山大学で学修する「すべて」の学生が過ごしやすいようにトイレを進化させること。もう一つは,トイレを通して行われてきた「透明な」性差別と向き合うことです。

例えば,TOTOのユニバーサルデザインの試みの一つが,「多様なセクシュアリティーLGBTーが心地よく使えるパブリックトイレとは?」という記事で報告されているのですが,ここに気になる一文があります。それは,「既存の男性用・女性用に分けられたトイレは心理的に入りにくく、トイレの利用を我慢しているなど切実な悩みを抱えています」と。この問題は,メディア・映像学科が入っている19号館も抱えています。

そこで,メディア・映像学科が最初に着手したのが,
(1)大容量で足踏み式のサニタリーボックスへ既存のものから変更
(2)19号館の「すべて」の個室トイレにサニタリーボックスを設置
するという試みです。

今年の春先にNHKでも報じられたように,サニタリーボックスを必要とする人の性別はどれか一つに限られるものではありません。使用したい理由はさまざまですが,もし「既存の男性用・女性用に分けられたトイレ」の運用ルールによって使用できない/使えない状況なのだとしたら,その運用ルールは改良する必要がある。そこで,メディア・映像学科では「すべて」の個室トイレにサニタリーボックスを設置して,「既存の男性用・女性用に分けられたトイレ」の運用ルールをマイナーチェンジすることにしました。

もちろん,これから「オールジェンダートイレ」や「誰でもトイレ」といったものへこの試みを発展させていきたいと思っていますが,まずは小さな変化を起こそうと私たちは動き始めました。

こうしたアファーマティブ・アクションがメディア・映像学科の学生の笑顔につながるのだとしたら,19号館というメディアを「私たちの手」で作り直す試みは小さな変化でも,素敵な未来を運んでくるはずです。なぜなら,誰もが共に幸せに生きる社会をメディアによって実現することが私たちの使命でもあるからです。

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