Winter Fieldworkだん!

冬季休業に入る前日,授業終了後に新幹線に飛び乗って,翌日から東京都港区にあるNHK放送博物館と横浜市にある放送ライブラリー,そして鎌倉市で開催中の「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」と川喜多映画記念館でフィールドワークしました。

放送博物館では,ラジオ塔に関する内部資料を調査したのですが,その棚の前をいつも通り過ぎているのに,初めて目に止まった「NHK営業総局」の文字。

これまでの調査で,ラジオ塔は計画部(後に企画課)が建設していることはわかっていたのですが,その部署が現在どうなっているかまでは突き止められていなかったので,まさかNHK営業総局が関わっているとは思いもしませんでした。しかし,なぜかこの日だけは気になったNHK営業総局の文字に惹かれてページをめくってみると,今まで発掘できていなかったラジオ塔の写真が掲載されていたのです(すぐに「日本の古本屋」で注文したことは言うまでもありません。高かったー!)。今回はこれ以外にも,NHK旧友会の会報の中に博士論文を執筆している頃から探していたテレビドキュメンタリー制作者の回顧録が見つかり,テレビドキュメンタリーは教育局が作るべきものであり,報道局が作るなんてとんでもない!と考えられていた証拠が見つかりました。帰りはもちろん愛宕神社の「出世の石段」を使いました。経営者や起業家がよくこの階段を登ってお参りしています。野望をお持ちの方はぜひ!

そして放送ライブラリーでは「障害」をキーワードにテレビドキュメンタリーを検索して,いくつかの番組を視聴しました。ここでは新たに気づいたこととして,障害児のケアを行ってきたのは多くが女性であり,男性がそこに参加している姿はほとんど記録されてこなかったと言うことです(作業療法などの指示を出す姿はありますが、実際は何もしない…)。この辺りを今後どのように分析すべきかはじっくり考える必要がありそうです。

それから,大河ドラマ館と川喜多映画記念館では資料の展示方法やアーカイブの仕方などを調べてきました。大河ドラマ館は大賑わいで,あまり一つひとつをじっくりみることはできませんでしたが,ドラマの枠を超えて現実世界でもドラマの世界を楽しもうとする人々の姿を見ることができたのは大きな収穫でした。こうしてまとめてみると,神奈川県にはメディアを研究する施設がたくさんあるので,映画について調べたり,テレビやラジオ,新聞について調べたりすることが簡単にできます。メディア環境の違いを考えることもメディア教育と繋がっていくのかな…と思った年末のフィールドワークでした。

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