助教の阿部純です。こちらでも何度かお知らせしてきました、メディア情報文化学科の学生たちによる橋口亮輔監督をお招きしての『ハッシュ!』上映イベントは、たくさんのお客さんにも支えられ、おかげさまであたたかい時間をつくることができました。橋口亮輔監督、シネマモード岩本さんはじめご協力いただきましたみなさま、本当にどうもありがとうございました。
少し時間が経ってしまいましたが、当日の司会を務めた4年生の奥田さん、岡本くんから感想をもらいましたので、それらとともにこの会を振り返りたいと思います。
こちらが会場のシネフク シネマモードです。『ハッシュ!』上映会は地下の劇場で行われました。
12時半開場ということで、12時過ぎから学生たちも緊張の面持ちでスタンバイです。Tシャツはシグロさんから2001年上映当時に売られていたものを送っていただきました。
13時から上映が始まると、学生スタッフは裏に移動し、上映後のティーチインについて最後の打ち合わせをしました。前任の飯田先生も駆けつけてくださり、時折笑いもこぼれるのですが、やはりいつもとは異なる緊張感が。。
14時過ぎには橋口監督も到着され、今日のスケジュールについて台本をもとに説明します。橋口監督は学生たちの緊張をきづかってか、今日のことや学生たちの私生活(?)について気さくに質問してくださり、少しずつ本番に向けて気持ちが高まっていきます。
奥田さん:監督が控え室に到着された時、
そして15時半、いよいよ本番です。RMのメンバー3人が自己紹介をした後に、この会の主旨を奥田さんの方から説明します。
橋口監督を壇上でご紹介し、さっそくティーチイン開始です。岡本くんの方からまずは「映画について」の質問を。公開当時の社会背景や映画の反響について、登場人物のキャラクターの濃さや作品中の細かい仕掛けについてひとつひとつうかがっていきます。橋口監督は、時折笑いを挟みながらまるで昨日のことのように、役者さんひとりひとりのことはじめ映画制作当時の話をしてくださいました。『ハッシュ!』の違うバージョンの台本の方が先にあったことや(『ハッシュ!2』として制作されるかも?)、オランダのゲイカップルと女の人の家族の形がもとになってつくられたこと、オランダでは国民の25%が同性愛者でオランダの議会はそれを無視できなくて・・・といった話など、映画のコントラストをつくるあらゆる要素の話を伺うことができました。
奥田さん:緊張状態がずっと続くと視界が歪むことを初めて知りました…。壇上で監督のお話に感動して何度も泣きそうになってしまいました
表現者の方の作品への思いの強さ、そして家族や人との向き合い方の機微・・・監督のお人柄と言葉とに心が吸い寄せられ、あっという間の1時間でした。
休憩時間中に会場のみなさんからいただいた質問を後半に読んでいく際に、学部長の位藤先生にもご登場いただきました。マイクなしでも会場に響き渡る映画の感想、さすがでした。(位藤先生にご登場いただくのは、前打ち合わせの時点で決めておりました!)
上映会終了後には、監督と学生たちとの懇親会をシネマモードの方に開いていただきました。無事に任務を終えてほっとした表情で、「あーーーー緊張したけど、楽しかった!」とは奥田さん。本当にお疲れさまでした!
懇親会では、学科の教員やゼミ生たち、シネマモードの岩本さんも交えて映画談議となりました。「いまの人も古典と言われる映画でいいから、ちゃんと観ましょうね」と橋口監督。『二十四の瞳』や三島由紀夫の作品についてなど、場外戦もまたとても熱い時間となりました。
懇親会の最後に監督から名前入りのサインもいただきました!これは家宝(学科宝?)として、19号館に飾っておきたいと思います!!
今回、学生のがんばりはもちろんのこと、シネマモードのみなさま、学部の先生方にも多大な協力をいただきまして、筆舌に尽くしがたいすばらしいイベントになりましたこと、とてもうれしく思っています。学生たちが小学生だった頃の日本社会を想像しながら、映画が支える文化のあり方について必死に考えた3ヶ月でした。今回のイベントを通じて、セクシャルマイノリティについて、そして福山という地域について再考する、その入口に立つことができた気がしています。今後ともわたしたちの活動をあたたかく見守ってくだされば幸いです。それでは、最後に司会の2人からです。
岡本くん:当日は、著名な映画監督にお会いできるということで、
奥田さん:3ヶ月ほど事前準備をしてきましたが、