講師の杉本です。
突然ですが、みなさんラジオを聴いていますか。わたしは、部屋にいるときには、たいていラジオをつけています。ラジオは、ほかのことをしながら楽しむことができる「ながらメディア」の王様です。ラジオの魅力はたくさんありますが、世界の音楽から地域の話題や人など多様な情報に気軽に出会えるところが気に入っています。ラジオ受信機は乾電池でも作動し持ち運びもできるため、災害時にも役に立つメディアとしても、にわかに注目を集めています。ところが、若い人にとってはラジオは縁遠い存在のようで、ラジオの聴き方を知らない人も増えているようです。
そんなラジオが、さいきんネットで配信されるようになりました。IPサイマルラジオ(ラジオ放送をインターネットで同時に配信するサービス)の「radiko.jp」は、2011年7月に放送エリアが拡大し、広島県でも聴けるようになります。広島県では、7月20日正午から中国放送、ラジオNIKKEI、広島エフエムが、実用化試験放送を開始するそうです。PCやスマートフォンで、気軽にラジオを楽しめるのはうれしいですね。若い人たちとっては、ラジオにふれるよいきっかけになりそうです。
ラジオとの距離感は人それぞれですが、どんな世代でも音楽や人の声の魅力は変わらず存在しています。とくに人の声からは、その人の個性(まさにパーソナリティ)がダイレクトに伝わってきます。先日参加した研究会でお話しされた広島エフエムの屋形英貴さんの声は、ラジオのお仕事をされているだけあってたいへん心地よい声でした。初対面だったのですが、どこかで聴いたことがある声……思い当たるふしがあったので尋ねてみたところ、帰ってきた答えはその通りでした。屋形さんは、わたしがよく行くスーパーマーケットの店内で流れているおすすめ商品のアナウンスの主だったんです。日常生活で身近に聴いていた素敵な声の持ち主に偶然出会えて感激しました。
ところでメディア情報文化学科では、音や声に関する演習科目も充実しています。「サウンドデザイン」「コンピュータミュージック」、「アナウンス」や「ナレーション」といった科目で、実際に音作りや発声を体験することもできます。こうした科目を通じて、じぶんたちでラジオ番組をつくってみるのもおもしろいかもしれませんね。
(メディア情報文化学科 講師 杉本達應)