こんばんは。助教の阿部純です。
いきなりですが、”zine(ジン)”という小さな紙メディアのことをご存知でしょうか。スカイプゼミの第2回は、ブックデザイナーのイワフチメグミさんとつないで、「小さな声で伝える媒体。紙で作るところからも手紙に近い感覚」(※)のジンにまつわるお話をうかがいます。
自分の好きなことを自由にデザインして印刷し、ホチキスでばちんととめて友人に配る。こんな小さいけれど直接的なコミュニケーションが、世界のあちこちでゆるやかに起こっています。その始まりは、同人誌的な意味をもつ”fanzine”が省略されて、zineと呼ばれるようになったと言われていて、最近になってまた、日本でもジンがひとつのムーブメントをつくりつつあります。先週末は東京で大規模なアートブックやジンのイベント“THE TOKYO ART BOOK FAIR 2012”が行われていましたし、ここ広島でも、呉の喫茶店の一角だったり、宮島のあたりでジンを交換し合う小さなマーケットが開かれたりなどし、小さなメディアがそこかしこで交換されています。そして、ジンに描かれるものは多種多様です。プロの作家のポートフォリオから、教室の片隅で交わされる交換日記のようなものまで、個々人の思いがそれぞれの形で凝縮されたジンは、私たちの日常の表現の可能性を魅力的に引き出してくれるメディアではないでしょうか。
今回のゼミでは、自らも自身の大好きなものに関するあらゆる種類のすてきなジンをつくっていて、ジンのおもしろさをとてもよくご存じのイワフチメグミさんをゲストにお迎えし、そのつくり方の妙技と、こういったメディアが日本や世界でどのように受け入れられてきたのかなどなど、時間の許す限りのお話を伺おうと思っています。聞くところによると、当日イワフチさんはジンの交換会「ジンスタアフタヌーン」の現場からスカイプをつないで話してくださるとのこと!zineの交換される現場の雰囲気を感じ取りつつ、私たちの表現についても振り返る機会になればと思っています。
【小さなメディア、紙のデザイン】
9月29日(土)13:00~ @阿部研究室(19号館4F)
※1時間半程度を予定しています。参加される方は一度阿部までご連絡ください。
●ゲスト:イワフチメグミさん(ブックデザイナー)
『乙女通信』や『泣きたい日のがんばりかた』など、イワフチさんのつくったジンは『
(※)イワフチさんがインタビューされている朝日新聞記事(2011年11月25日)より。