この写真は2年生が共通の本を読んでディスカッションしている授業の様子です。いわゆる輪読という活動です。

メディア・映像学科はどちらかといえば「最新」のメディアツールを使い、いろんなコンテンツに触れるというイメージをよく持たれがちです。しかし、メディアには様々な特性があり、そのときどきで便利、都合が良い、状況に合うといったことが違ってきます。

今回の輪読もまとめに入ってきた段階でしたので、模造紙を使って意見交換するアクティビティを入れてみました。今ではクラウド上でこうした付箋をベースにした情報共有も簡単にできますが、あえてと言っていいかもしれません、アナログな形で情報共有をしています。ただ、あえてと言いつつ、今回の方法は、全体情報の視認性に関してパソコンやスマホよりは高いのではないかと思います。これが模造紙の特性の1つということです。

メディア・映像学科は表現について学ぶ学科です。表現とは平たく言えばコミュニケーションの一つの形態です。今回、雑多になりがちな情報を整理しつつ共有するというコミュニケーションの場に模造紙を投入したのは、他者が考えたこととの関係の中で自分の考えを改めて理解するためでした。そうしたインタラクティブなやりとりは必ずしもデジタルである必要はなく、状況に応じて選択できることが重要になります。

世の中の進展や必要性に応じてデジタルもアナログも区別することなく使っていく。だとすると、どっちも使いこなせないといけないということでもあります。何事も「使いこなす」ためには、使い始めて、そして使い続けなければなりません。当然ながらアナログも同じです。話題の対話型AIや生成型AIなど、テクノロジーが恐ろしいほどのスピードで発展する今、それこそ「使いこなす」コツを掴むためにもいろんなメディアに触れておくことが不可欠でしょう。

仕組み的には模造紙サイズのタッチパネルモニタはすでに世の中にはあり、デジタル上で付箋を共有する仕組みもすでに世の中にあるわけですから、上記のようなことは完全なデジタル環境に置き換えられそうです。モニタを机にして、それを囲みながら、例えばスマホで付箋を作成してさっと画面上に表示させる。それを動かしながら情報共有する。データも保存しやすいし便利!と思いつつ、ここまでの環境を日常使いできる状態にすることも難しそう。「んじゃ紙でよくない?」という選択肢を選べるというのが、本当の意味でSociety5.0の時代に対応するというではないかと感じたりしています。

大変な時代だなと思いつつ、学生たちにはそれを楽しむくらいの余裕でメディアに触れてほしいなぁと思います。

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