こんばんは、阿部純です。今年度からメディア情報文化学科では「学科活動日」と称して、1年生から4年生までの学生が集まって、意見を交換したりその時々の活動の準備をしたりする時間にあてることにしています。今回は、先日もブログで告知しました5月12日の『なみのおと』上映会に向けて、「いま備後地域に住む私たちが東日本大震災のことをどう見ているのか」という点について意見を交換し合うワークショップを行いました。中国新聞、朝日新聞の方々も取材に来てくださり、ワークショップの途中に「取材する側はどのようなことを考えて、実際に何をしていたのか」といった貴重なお話を伺うこともできました。
新しくできたばかりのCLAFT教室にてワークショップを行いました。まずは映画会のメンバーである3年生の岡本さんから、映画会の主旨と東日本大震災がどのように報道されてきたのかについてまとめてもらいました。
その後、学生たちひとりひとりが震災の報道をどう見ていたのか、その時にどんなことを考えていたのかをグループに分かれて話し合いました。テレビでの震災特集を見て、「どのように自分はこれから生きていこうか」ということを考えたといった意見もあれば、テレビや新聞、SNSの中では「非常」事態であっても、広島では普段通りの学校生活があって「蚊帳の外」な感じがしていた、という率直な話も出てきます。
学科ブログ初登場のデザインの安田先生もは震災当時は関東にいらっしゃって、揺れたその時の状況や、同じ場所に住んでいても人によって情報の受け取り方がさまざまであったことなどお話いただきました。
その後、実際に『なみのおと』の冒頭部分のみをみんなで観てみます。東北の声が流れるこの数分、みなさんは何を思いながら観ていたのでしょうか。
映像を観ての感想や、なぜ監督がこのような形で映画を撮ろうとしたのか、自分だったらどのように記録をしようと思うだろうかといったところをみんなで発表し合いました。この映画は対話形式で描かれており、その描き方が普段見慣れている映像と異なる印象を与えたであるとか、観衆と被災地との溝を埋めるにはどんな撮り方ができるのだろうか考えた、といった意見などこれまた率直な意見が飛び交うよい時間となりました。ここでの記録は、映画会当日のティーチインの内容に生かしていきたいと考えています。
今回、取材にきてくださった記者の方が、実際に被災地での取材もされていたということで、当時の様子を語っていただく時間ももつことができました。地震直後の最初の映像は「フジテレビの社屋」でまだ報道関係者にも映像は届いておらず、事態の大きさすら呑み込めていなかったかもしれないということや、被災地でやれることはひとりひとりの方に耳を傾けて話を聴くことでしかなかったと、だから『なみのおと』の撮り方にとても共感をもったともおっしゃっていました。無茶ぶりにも関わらず、当時の緊張感、やるせない感覚について丁寧にお話いただきました。どうもありがとうございました!
このワークショップ自体は、来週にも続く予定です。それまで、学生のみなさんには「宿題」をお願いしているので、来週の発表がまた楽しみです・・・!
今日のワークショップの後には、映画会メンバーが中国新聞、朝日新聞の取材を受けました。私自身も、映画会に向けて3人のメンバーと打ち合わせを重ねてきましたが、今回取材を受けている姿を見て、「そんなことを考えていたのだなー」とうれしく思う部分も多かったです。しっかりとそれぞれの想いを言葉にしているようでした。記事にしていただくのがとても楽しみです。
映画会の様子は、このブログと学科のfacebookページにて更新していきますので、今後ともチェックしてくださいね。よろしくお願いします!!